中耳炎には、どのような治療をするのですか?
中耳炎がどのくらい重症かによってもちがいますが、軽症ならば抗生物質などの飲み薬、重症ならば、鼓膜を切開して膿をだす処置が必要になります。また、中耳炎は鼻、のどの炎症からきているので、そちらも一緒に治療しなければなりません。
鼓膜は切開してもだいじょうぶなものですか?
切開といっても、小さな穴をあけるだけですので、自然に数日でふさがります。
痛くはありませんか?
切開の前に、耳に薬をいれてそれを鼓膜にしみこませるイオントフォレーゼ麻酔をすれば、ほとんど痛みを感じません。小さい赤ちゃんは、じっとしていられないので、麻酔液を耳にスプレーして麻酔して、少しでも痛くないようにします。ただ、鼓膜に触るので、かなり大きな音がするので、小さいお子さんは、怖がって大暴れすることもありますが、心配ありませんのでご了承ください。
切開の後はどうすればいいのですか?
急性中耳炎の場合、耳だれが出ることが多いので、皮膚がただれないようにまめにふいてあげてください。また、鼓膜に穴が開いているので、耳に水をいれないでください。
切開は何回もしなければならないの?
鼓膜切開の穴がふさがって、治ってしまえば必要ありません。でも、まだ炎症がおさまりきらず、はれてくるようだったり、いつまでたっても膿がたまったままだったりするようなら、再度切開する必要があります。最近は、いろいろな原因(抗生物質の効きにくい細菌が多いことなど)で中耳炎がなおりにくくなっているので、2〜3回切開することも、まれではありません。
あんまり切開ばかりではかわいそうなのですが。
鼓膜切開を何回もやらなければならない、治りにくい中耳炎の場合、また、治っても頻繁に繰り返す場合には、鼓膜チューブ挿入術というのをします。
チューブとは何ですか?
チューブ鼓膜切開の穴は、すぐふさがってしまうので、炎症がすっかり治まるまでふさがらないように鼓膜の穴にはさむ小さな筒のことです。
痛くはないのですか?
入っている間は、いたくもかゆくもなく、何も感じません。入れるときは、細かい操作を必要としますので、少し切開よりは大変です。だから、動いてしまいそうな小さい子供は、全身麻酔をかけて、眠らせてからチューブをいれます。
チューブはどうなるのですか?
チューブは異物ですので、3ヶ月から1年ぐらいで自然に抜けてくることが多いです。チューブが抜け、鼓膜の穴がふさがっても、中耳炎の再発がなければ治療終了です。
チューブの副作用はありますか?
ほとんどありませんが、チューブの穴が、まれにふさがらないこともあります。しかし、耳管の働きがおおきくなって、しっかりしてくれば、簡単な処置手術でこの穴はふさぐことができます。